ついによみがえる『富士山の伏流水」

 

  「もしや」の直感がもたらした大発見  ● 「日本一の富士山」の元で・・・・・
 
 糖尿病の兆候をはっきり自覚しながら、さほど深刻に考えず、マイペースの生活を守り通している人たちもいます。それを評して「人間、元気でいる為にはクヨクヨしない方がよいのだ」という人もいますが、本当の糖尿病の怖さを知っている人は、自分の体をいたわろうとしない生活態度を、厳しく批判することでしょう。あらゆる病気がそうなのですが、病気は自分だけの問題ではありません。家族を巻き添えにし、仕事仲間にも迷惑を及ぼす結果を招くのです。
 ところが、健康診断などで肥満傾向、高指血症、高血糖などの危険因子を指摘されても、それでも食べ放題、飲み放題、運動不足という生活態度を改めようとせず、いくら無責任だ、自堕落だと指摘されても馬耳東風、ブレーキがかからないという人がなんと多い事でしょうか。
 私にも、そのような時期がなかったわけではありません。体の心配をするよりも、自分のライフワークと決めていた環境汚染物質や残留農薬などの研究や探索のほうが、遥かにおもしろく、意味のあることに思われたのです。水俣病Wの原因となった工場排水のメチル水銀、新潟水俣病や阿賀野川中毒事件の原因となった残留農薬中の有機水銀などの研究調査に携わった者として、当時の私はそのような微量物質毒性を究めることに熱中してしまい、被災者の本当の苦しみを思いやるような想像力を欠いていたのです。
 しかしそのような知識欲のお陰で、先に述べたバナジウムWの血糖降下作用に関するJ・メイェロヴィッチ(J・Meyerovitch)らの研究(1987年発表)を、相当早い時期に知ることになりました。とはいえ、糖尿病がこれほど広く、かつ深く、日本人をむしばみ始めていることは知りませんでしたから、バナジウムが糖尿病に効くということが、まるで教科書の中の一行のように、単なる知識として飛び込んできたに過ぎないのです。
 一方、縁をえて在籍した山梨県環境科学研究所では、富士山という日本一の“火山岩の集積体”を擁する土地柄でもありますが、日本全国の岩石の分布に関する詳細な調査研究が進んでいました。そしてそれは必然的に、岩石から地下水へと溶けだしてくるミネラルW成分の比較調査へと進んでいったのです。
 一口にミネラルといっても、元素の種類としては地球上には優に100を超えるものがあるわけで、何から何まで調べ上げるというのは、実際上不可能です。ですから、検出対象を決めて調べることになりますが、この段階で、私が知識として知っていたバナジウムが、大きな意味を持ったのです。
  
 
                   「バナ・ウオーター〈富士山伏流水〉で始まった糖尿病ゼロ革命」
                              
橘田 力 著   (東洋健康新書)   抜粋     

 

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